プリザーブドフラワーに関する様々な疑問に対するご回答から、プリザーブドフラワーを飾る場合の注意点や普段のお手入れの仕方などの適切な取り扱い方法、そしてフラワーギフトとしてのプリザーブドフラワーまでの内容について詳しく説明をしています。
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Q
ブリザード?ブリザーブド?プリザードフラワー?の正しい呼び方は?
A
英語で表記されるPreserved Flowerは日本語に直訳すると、『保存された花』という意味になります。 しかしながら“プリザーブ”という英単語は日常生活ではあまり使われないため馴染みが薄く、ブリザードフラワー・ブリザーブドフラワー・プリザードフラワーなど誤って呼ばれることがあります。その中でもブリザードフラワーと呼ばれることが特に多く、生花を凍らせて加工したもの、というような誤解をされている方も多いのではないかと思います。正式名称は「プリザーブドフラワー」になります。
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Q
プリザーブドフラワーとは?
A
プリザーブドフラワーは本物の生花が一番美しく咲く状態の時に安全な溶剤や色素を植物自身の力で吸わせて着色し長期間保存するための特殊加工を施したお花です。生きた植物と比べても遜色のない、瑞々しい質感と柔らかさがあり、保存環境が良ければ長期間美しく咲き続けることができるまさに夢のようなお花です。プリザーブ=preserveとは「保存する」の意味です。プリザーブドフラワーは「長期間保存するための加工を施した花」です。そして色素を吸わせることで自然界には存在しない色のお花を作り出すことができます。
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Q
プリザーブドフラワーの歴史は?
A
1986年、ベルリン大学とブリュッセル大学の共同研究により、長寿の切花の開発がスタートし、その技術を基に1991年、フランスの『ヴェルモント』が、世界特許認定を取得しました。ヨーロッパで生まれたプリザーブドフラワーが広く知られるようになったのは世界的なフラワーデザイナーが、自身のフラワーアレンジメントに新しい花材としてプリザーブドフラワーを取り入れたことがきっかけといわれています。日本では、1990年代の終わり頃にプリザーブドフラワーが紹介されました。
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Q
プリザーブドフラワーはどうやって作られているの?
A
プリザーブドフラワーの基本的な製法は、生の花から一旦水分(樹液)を抜き、次にオーガニック系の安全な溶剤や色素を吸わせてから、乾燥させます。水分を抜く時に脱色し、保存液と一緒に色付けできるので、花を好きな色に染められるため豊富なカラーバリエーションがあります。プリザーブド加工技術は現在も進化をつづけていて以前は加工が難しかった生花も今では加工が可能になってきています。今後、プリザーブドフラワーの花材の種類が増えることで、より豊富なデザインが市場に出回るようになることでしょう。
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Q
どんなお花もプリザーブドフラワーにできるの?
A
どんな植物でもプリザーブドフラワーに出来るのでしょうか?実は、向き不向きの花材があります。加工しやすいのは、バラやカーネーション、ランのように花びらが多く厚くしっかりした花です。逆に不向きなのは、花の元の形が保ちにくく、また花びらが外れてしまいやすい花です。サクラやハイビスカスなどは花びらが1枚で薄く、加工するときに花びらが外れてしまいやすいからです。
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Q
プレザーブドフラワーにはどんな種類のお花があるの?
A
当初のプリザーブドフラワーとして扱われるお花はバラやアジサイなど種類や大きさ、そして色も限定的なものでしたが、近年の人気の高まりとプリザービングメーカーの努力により、最近では花の種類もバラ、カーネーション、アジサイ、スカビオサ、ポンポンギク、ペッパーベリー、ライスフラワー、アイビー、モスなど花材の種類が増えています。
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Q
プリザーブドフラワーはどれくらい持つの?
A
プリザーブドフラワーは、保存状態によって「持ち」に大きな差がでます。高温を避けて湿気の少ないところに飾っておけば2~3年は美しい状態が保たれます。ヨーロッパは比較的湿気が少ないため5年から10年もつと言われていますが、日本は湿気が多いため長く保存しする場合に保存状態に少し心を配る必要があります。保存環境に少しだけでも気を付けてあげるだけで3年以上長持ちさせることが可能です。
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Q
プリザーブドフラワーにお水やりは必要ですか?
A
プリザーブドフラワーはお水やりの必要がありません。よって水替えなどの手間も必要ありません。しかも活き活きとした状態が長持ちするので忙しい方やお家を留守にすることが多い方、またご高齢の方へのフラワーギフトとしても大変喜ばれています。
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Q
プリザーブドフラワーは枯れないの?
A
プリザーブドフラワーは「美しい状態を長期間保存されたお花」とは言え永遠に綺麗でいられるはずはありません。プリザーブドフラワーの寿命は、だんだんと色あせ、ボロボロになって「お花が汚く感じてしまう状態になったとき」です。感覚の個人差があるので、ご自身が美しくないと思われたときが潮時なのです。
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Q
プリザーブドフラワーに匂いはあるのでしょうか?
A
プリザーブドフラワーそのものには基本的に匂いはありません。しかしプリザーブドの素材によっては加工処理された後でも素材の香りが若干残っているものもあります。プリザーブドは自然素材で出来ているので気になる香りではありません。香りの楽しみ方としてアロマなどで香りをつけて楽しむ方もおられます。
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Q
プリザーブドフラワーは花粉はあるの?
A
プリザーブビング加工する際に花粉や植物の樹液が取り除かれます。そのため「花粉アレルギーの心配がありません。」また植物に付く虫(害虫)などが付く心配がありません。
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Q
プリザーブドフラワーは重いのでしょうか?
A
プリザーブドフラワーはその加工方法から重いイメージがあるのですが、生花に比べてとても軽量であることも特長の一つです。お花をいっぱい使用した豪華なウエディングブーケでもとても軽いので、結婚式や披露宴で花嫁の手の負担になりません。
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Q
プリザーブドフラワーは生花より高いのはなぜでしょうか?
A
プリザーブドフラワーの場合、バラ1輪の値段で比較すると生花の約3~5倍くらいになります。その理由は生花として収穫した後に、特殊加工(プリザーブド加工)をほどこしているために生花より値段は高くなります。手間が掛からず生花よりも長い間美しく咲き続け長持ちすることを考えると、コストパフォーマンスは高いお花であるといえます。
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Q
プリザーブドフラワーの短所は?
A
プリザーブドフラワーは着色しているので色あせ、色移りがあります。また湿気に弱いことがあげられます。
~プリザーブドフラワーの取扱い方法~
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Q
プリザーブドフラワーの最適な飾る場所は?
A
プリザーブドフラワーはとてもデリケートなお花です。高温多湿の場所に置くと花びらの透明化や液だれ(着色液がしみ出てしまうこと)、ひび割れなどの原因になります。目安としては温度が18~25度、湿度は30~50%の環境で保存してください。特に夏場の日中は、クーラーや空調の行きとどいた場所で保管することをおすすめします。
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Q
飾る場所で注意しておくことは何かありますか?
A
乾湿の差が激しいスペースに飾るのは厳禁です。プリザーブドにとっての命取りは湿気と乾燥の差が激しい環境です。乾湿を繰り返すと花びらを支えるガクがもろくなり、花自体が落ちてしまうことも・・!乾燥による花びらのヒビ割れは修復できないので、ご注意を!
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Q
花びらがヒビ割れてきたのですが?
A
エアコンの風が直接当たらない場所に置いてください。水が下がるという理由で生花にタブーなエアコンの風は、プリザーブドフラワーにとっても大敵です。プリザーブドの花びらは生花以上に繊細で傷つきやすいのです。直接、風を受けると花びらがヒビ割れるなど、ダメージの原因になります。
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Q
花びらが色褪せてきたのですが?
A
「直射日光」など強い光を避けて下さい。プリザーブドはドライに比べて色褪せしにくいとはいえ、直射日光は避けましょう。照明器具の光も、直に当たれば色褪せは進行します。光が直接当たらず、乾湿の差の小さい場所に置くのが美しい色を長持ちさせるコツです。
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Q
プリザーブドフラワーに付着したホコリが気になるのですが?
A
ホコリを取る際にプリザーブドフラワーが傷つき、ヒビワレなど劣化が生じるためことは直接お花を手や布で触らないようにしてください。プリザーブドフラワーに付着したホコリが気になる場合のお手入れの方法は、うちわで扇いだりドライヤーの弱冷風を少し離れたところからあててホコリを取り除いてあげてください。
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Q
お花が破れた場合のお手入れの仕方は?
A
ちょっとした衝撃で花びらが破れてしまう場合がございます。どうしても気になる場合はハサミで破れたところを目立たぬように切りとってあげてください。
~フラワーギフトとしてのプリザーブドフラワー~
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Q
プリザーブドフラワーが贈り物に選ばれる理由は?
A
プリザーブドフラワーは生花に比べてより幅広いフラワーアレンジを施すことができます。生花ではお花だけを使ったアレンジが主でしたが、お手入れが不要で長期間枯れないプリザーブドフラワーはアレンジしやすい特徴を生かして、ガラス等のケース入り、フレームの額入り、花時計、写真立てと組み合わせた多様多彩なアレンジ仕立てにすることができます。贈る相手の好みに合ったギフト商品を選びやすいことがあげられます。
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Q
海外でのプリザーブドフラワー事情はどうなの?
A
パリを中心にヨーロッパにおいて、プリザーブドフラワーアレンジメントはワンランク上の高級感のあるギフトやインテリアとして定着しているそうです。近年の日本でも急速に広がり、メモリアルギフトやブライダルフラワーなどの分野では今最も注目されているアイテムの1つです。パリコレでは日本のトップデザイナーがメイン装花にプリザーブドフラワーを使用したことが話題になりました。